医院ブログ

2020/03/12

院長の「こんな本どうですか?」4

皆さんこんにちは、姫路駅から徒歩2分姫路はま矯正歯科院長の濱です。今から9年前の3

月11日に東日本大震災が発生しました。あれから9年経つのかと思うと感慨深いです。当

時私は医局員で地震が発生した時間は医局で研究の論文を書いていたと思います。大きく

揺れ(何せ昨年取り壊された築ウン十年の病院です)棚の上の模型や、資料やらが頭の上に

落ちてきました。これはまずいと思い建物から抜け出し近くのニコライ堂の敷地に避難さ

せてもらいました。多くの大学関係者や患者さんが集まって、中には泣いている人もおり空

を見上げると普段は見たこともないような高度で羽田を飛び立ったばかりの飛行機が頭の

上をかすめていたのを思い出します。しばらくして、病院に戻ることはできない全員早く帰

宅するようにと指示があり電車も動いていないなか歩いて2時間、当時住んでいた要町ま

で歩いて帰りました。家に帰ると家具が散乱していましたが、片付ける気力もなくそのま

ま非現実的な内容のニュースを見ながら寝てしまいました。

 

翌日からはニュースは東京電力の原子力発電所のニュース一色です、これから先目に見

えない放射能というものとどのように付き合っていくのか非常に不安になりました、コン

ビニやスーパーから瞬く間にミネラルウォーターが無くなり、その後しばらくは自粛モー

ドで外出を控える毎日でした。見えない放射線に対する恐怖は今まさに新型コロナウイル

スに恐怖を感じている私たちであり、9年前と同じ事を繰り返しています。日本人の良いと

ころは世間の空気を敏感に読み取り、協調性があるところなのですが9年前の自粛モード

と現在の訳も分からず右にならえの自粛モードや紙類不足問題は考えなくてはいけないと

ころだと思います。いずれにせよ一刻でも早く事態が収束して平穏な日々が戻ることを祈

るばかりです。そして東日本大震災が原因で今もつらい思いをされている方の事も忘れて

はいけないですね。

 

今回紹介する本はそんな目に見えない放射線の事を極めてわかりやすく説明している、池

上彰さんの「高校生からわかる原子力」です。訳がわからなくて、目に見えなくて、命の危

険に関わってくるものに対しては全員恐怖心を抱きます。しかし正しい知識を得ることで

冷静に対応することが出来ると思います。今回の新型コロナウイルスに関しても池上さん

の解説があれば皆正しい知識を得て、パニックを起こすことなく対応できるかもしれませんね。

 

著者はわかりやすく放射線のことや原子力の歴史、問題点を解説していますが自身の意見

は述べていません。考えて判断すべきは私たちなのです。

 

セミナーへ向かう新幹線の中で読み切れてしまうくらい読みやすい本でした。

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